すゑひろがりずの狂言風ネタが面白い!人気急上昇中のYouTubeも必見
「すゑひろがりず」が狂言風の漫才ネタを、M-1グランプリ2019決勝で全国に披露し、この日を境に人生が変わるほどの大きな反響を呼びました。
今ではいろいろなバラエティ番組に出演。YouTubeでも人気急上昇中です。苦節15年、ブレイクを果たしたお笑いコンビ「すゑひろがりず」について紹介しましょう。
新ジャンルを開拓した
伝統芸能の狂言をヒントにして、漫才を狂言風のネタにする発想で、唯一無二のスタイルを確立した「すゑひろがりず」。狂言風の古典的なスタイルが新鮮な感覚で、ネタが面白いですよね。
扇子を携えるボケの三島と、小鼓を打ちつつツッコミを入れる南條のコンビ。袴姿の和装で舞台に立ち、見た目もネタも他の芸人と一線を画し、とてもインパクトがありますね。
狂言は本格的に習ったことが無く、インターネットなどで独学し、お笑いとして分かりやすく独自のアレンジをした狂言風スタイルなのです。
現代の品物の名称や様々な言葉を、時代を数百年さかのぼったような古典単語に置き換えて表現する言葉選びのセンスにも光るものがあります。
新ジャンルのお笑いを新たに作った開拓者とも言えるでしょう。2019年12月にM-1グランプリ決勝進出、2020年3月にはR-1ぐらんぷりで南條がファイナルの3人に残る活躍。すゑひろがりずは、ブレイク芸人の仲間入りをしました。
すゑひろがりず局番
すゑひろがりずのYouTubeチャンネル「すゑひろがりず局番」が、2020年9月22日現在、チャンネル登録者数30万人を越える人気です。
数千人だった登録者数が大きく伸びたきっかけは、狂言風ゲーム実況でした。「バイオハザードRE:2」で話題となり始め、人気ゲーム「あつまれ どうぶつの森」を「集え!!けもの共の藪」と題して、狂言風ゲーム実況をすると大当たり。
二人のゲームする姿が仲睦まじく、「癒される」や「元気が貰える」といった少し意外な反応も続出し、特に女性の視聴者が一気に伸びました。
男女の比率が逆転したそうです。テレビではなかなか見られない素の部分や、性格の良さが垣間見られて、YouTubeを通して好感度アップにつながっているのでしょう。現在の人気を、YouTubeも後押ししてくれています。
YouTubeを始めたきっかけ
YouTubeを始めたきっかけは、すゑひろがりずがまだ無名で売れていなかった頃に、一人の若者からの「ゼロから一緒に始めさせてください」との誘いでした。
南條が知り合いになった若者で、俳優を目指していたけれど映像の勉強を始めたカナメ君です。動画の撮影や編集だけでなく、ツイートする時間や内容・告知動画など拡散方法まで全てアドバイス。
カナメ君の知識や技術の成長とともに、すゑひろがりずも漫才で成長し、YouTubeの人気も上昇していきました。カナメ君を始め、3人の若いクリエーターたちのサポートがあってこそと謙虚に感謝し、相乗効果で高め合える世代を超えた関係性も素敵です。
三島はNSCの超エリートだった
2005年に吉本興業の養成所NSC大阪校28期生として、三島と南條は学びました。同期はアインシュタインの稲田や祇園など。
当時は別々のコンビで、三島は「バルチック艦隊」というコンビでNSC在籍時から実力を発揮し、M-1グランプリ準決勝に進むほどの超エリートでした。
南條はコンビ「うずまき」として活動し、「クイズ!紳助くん」(ABCテレビ)に「なにわ突撃隊」として2006年から出演していました。
当時の二人を覚えている人も中にはいるかもしれません。ともにコンビを解散してしまい、三島は新しい相方とコンビを組み、そこに同期の南條が加わり「ガンセキオープン」というトリオに。
しかし全く売れず数年後一人辞め、2011年に三島と南條のコンビとなります。最初のコンビ名は「ドロスス」、次に二人の名前からとった「みなみのしま」に。
アロハシャツを着て、ライチ三島とパイナポー南條で活動します。しかし全く売れるきっかけが掴めず、過去のM-1のネタを10年分書き起こして、研究しましたが、自分たちにしっくりくるスタイルが持てずにいました。
解散寸前を救うきっかけになった芸人は
劇場のオーディションに全く受からない日々が続き、既にエントリーしていたオーディションを最後に解散する決意をしていました。
自主の地下ライブでふざけてやった狂言風ショートネタを見たミルクボーイの駒場が、「本ネタにしたらいい」とアドバイスした言葉を思い出し、最後と覚悟したオーディションで披露。
これをきっかけに劇場に出られるようになり、解散の危機を脱したのです。2016年に「すゑひろがりず」に改名。発声や所作など狂言風ネタに磨きを掛け、古典的なネタのスタイルに、年齢的にも次第に上手くマッチしていきました。
2019年のM-1は「ミルクボーイ」の圧勝でしたが、同じ決勝のステージに立った「すゑひろがりず」。ともに苦労したコンビだけに、称え合い喜んだことでしょう。
三島達矢(みしまたつや)は、1982年10月2日生まれ(O型)、大阪市出身。ボケおよびネタ作り担当です。
南條庄助(なんじょうしょうすけ)は、1982年6月3日生まれ(A型)、大阪府堺市出身。ツッコミ(小鼓)担当です。
吉本興業公式サイト:https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=3712