熊本城の公開はいつから?着実に復旧が進んでいる熊本城の現在
熊本城の公開はいつから?と気になっている人は多いでしょう。熊本地震が発生したのは、4年前の2016年のこと。4月14日と16日に、震度7という最大級の地震が2回も発生するという、観測史上例のない衝撃的な出来事でした。
甚大な被災状況のなか、熊本城にも大きな傷跡を残しました。復旧完了には、20年以上掛かるとも言われています。熊本城の復旧状況、公開状況についてご紹介しましょう。
熊本城の魅力
熊本城の魅力は、天守閣の凛とした美しさや見栄えの良さだけではありません。勇猛な武将、築城の名手として名高い加藤清正公によって築城されました。
日本三名城のひとつに取り上げられることが多く、白い壁の姫路城・黒い壁の熊本城と言われるほど、日本の城の代表格的存在です。「行ってよかった日本の城」として、人気旅行口コミサイトで1位を3年連続獲得するなど、見どころ満載の熊本城。
加藤藩から細川藩へ引き継がれ、熊本の繁栄になくてはならない存在です。築城から400年以上経った現在に至って、常に熊本の象徴として精神的支柱であり、大きな勇気と影響を与え続けています。
細川家は剣豪の宮本武蔵を迎え入れ、この地で「五輪書」や多くの書画を執筆しました。宮本武蔵も、熊本城の魅力に思いを寄せたことでしょう。剣道が盛んな地である熊本に、大きな影響を現在も残してくれています。
難攻不落の熊本城
難攻不落の熊本城として有名です。実戦を経験し、その難攻不落を証明した名城でもあります。明治時代に入って1877年の西南戦争(西南の役)です。
攻める薩摩軍13,000人に対して、籠城して戦う新政府軍(官軍)は3,500人。薩摩軍は堅牢な熊本城に全く歯が立たず完敗、一兵も城内に攻め入ることができなかったのです。
薩摩軍を率いる西郷隆盛は、官軍ではなく清正公の熊本城に負けたと、攻め落とすことができなかったことを悔やんだと言われます。
熊本城は、日本一攻め落とすことが難しい城という評価をされる場合もあります。天守閣は大天守と小天守の連結構造で、高くそびえる石垣は「武者返し」としてとても有名です。
曲がりくねった石垣、桝形と呼ばれる防御機構を幾重にも備え、四方八方から敵を狙い撃ちできる防御システムは、侵入者を全く寄せ付けません。
天守閣に匹敵するような櫓が、主要な守りの方々に何か所もありました。現存する一つが宇土櫓です。他の城の天守にも匹敵する5階櫓が、築城当時は6箇所もあったとされ、城の集合体といった様相です。他にも数十棟にものぼる櫓や櫓門、井戸が120箇所など、実戦を想定し考えつくされた城です。
敵の攻める気持ちさえ無くしてしまう過剰防衛とも言える熊本城は、日本一の防御を誇った難攻不落の城なのです。東京ドーム約21個分の広さがあり、壮大なスケールが実感できます。
熊本城の復旧状況
熊本城の復旧状況をお伝えしましょう。震災から4年、20年以上掛かると想定される復旧工事は、期間で見ると現在のところ5分の1です。
スタートを切ったばかりのような状態とも言えますが、熊本県外からも多くの支援や協力を受け、着実に一歩ずつ復旧は進んでいます。震災復興のシンボルとして天守閣は、石垣や瓦などの外観復旧の工事はほぼ完了し、勇壮な姿が戻りました。
「奇跡の一本石垣」としてテレビなどで被災状況が放送され、有名になった飯田丸五階櫓は、巨大な鉄のアームで建物の倒壊防止を行い、無事一旦解体が完了しています。
最も難関な工事とも言われるのが石垣です。1,000面近くある石垣の半数以上517面が被害を受けました。約10万個以上の石材の積み直しが必要で、1個1個を元の位置に同じ向きで復旧しなければなりません。
全てに番号を付けて、寸法などの細かいデータを整理し、亀裂など損傷を受けた石材の選別も必要です。考えるだけでも途方もない作業です。
コンピューターによる画像処理技術を応用し、元データの石垣の写真と比較して、自動で位置を判別する技術開発などの取り組みも進んでいます。
熊本城の公開
熊本城の公開は、一部開始されています。特別公開第1弾は2019年10月5日から始まり、原則日曜祝日の限定で、天守閣の外観を近くで見ることができるようになりました。
特別公開第2弾では、特設の見学通路が設けられ、今しか見られない被災の状況、復旧工事の状況など、平日も見学できるようになります。
2020年4月29日から予定されていましたが、残念なことに延期が発表されました。
なお、天守閣内部の見学は特別公開第2弾ではまだできません。2021年春の特別公開第3弾で予定されています。
熊本城公式サイト:https://castle.kumamoto-guide.jp/
熊本城のおすすめスポット
熊本城のおすすめスポットは、城内以外にもあります。加藤神社は加藤清正公をお祀りする神社です。神社の前は熊本城の写真撮影スポットとしてもお馴染みです。
写真撮影のスポットとしては、熊本市役所の14階展望ロビーやKKRホテル熊本の3階屋上庭園などもおすすめです。
熊本城の横にある桜の馬場「城彩苑」は、歴史文化の体験施設「湧々座」と名産品や熊本グルメの名店が揃った「桜の小路」など楽しめる人気スポットです。
城彩苑公式サイト:http://www.sakuranobaba-johsaien.jp/